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性腺および胎児への遮蔽の使用に関するAAPMの意見書　その１（AAPM Position Statement on the Use of Patient Gonadal and Fetal Shielding）

一般撮影


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こんにちは、ラジ猫です

とりあえず三日坊主を防ごう…

 

本日の話題

 

 

小児に対するや胎児に対する遮蔽

今日は小児や胎児に対する遮蔽の利用についてです

 

 （私の唯一バズったらしいツイート）

 （以下AAPMの意見書原文）

https://www.aapm.org/org/policies/details.asp?id=468&type=PP¤t=true

 

いきなり英語を読めと言われても面倒くさいでしょうし、とりあえず日本語で要約します

 

要約

遮蔽することを中止すべき
  • X線を用いた画像診断を行う患者の生殖腺および胎児の遮蔽は、日常診療として行うことを中止すべきである
    ⇒遮蔽によるメリット　＜　遮蔽によるデメリット（リスク）だからである
  • 確かに遮蔽により母体や家族の不安は和らぐかもしれない¹が、これらはエビデンスに基づくものではない²⁻⁴
  • AAPM は、放射線技師の教育プログラム（患者への働きかけを含む）において、生殖腺および胎児遮蔽の限定的なメリットと潜在的なデメリットについての情報を提供することを推奨する

 

性腺及び胎児への遮蔽の有効性
  • 性腺および胎児の遮蔽は、患者の健康に対する利益は無視できるか、あるいは全くない
  • 画像診断に使用される放射線量は、生殖腺や胎児に対する測定可能な有害事象とは関連していない
  • 放射線に関連して遺伝性疾患が過剰になるという直接的な証拠を示したヒトの研究はない⁵（国際放射線防護委員会（ICRP）の2007年勧告）
  • 少数の例外を除いて、X線撮影、コンピュータ断層撮影、核医学的画像技術による放射線被曝は、胎児への害に関連する被曝よりもはるかに低い線量である（米国産科婦人科学会（ACOG）のガイドライン）
撮影範囲外の臓器への線量の正体
  • 撮影視野外にある内臓への放射線量の主な原因は、体内で散乱するX線である
  • 患者の遮蔽は内部散乱の低減には効果的ではなく、臓器を覆うようは表面遮蔽は、この散乱に影響を与えない。
遮蔽によるリスク・検査への悪影響

これが今回の我々技師の技術面の問題となってくる

  1. 【解剖学的不利益】
  • 撮像範囲内の（や撮像範囲内に入り得る）遮蔽物は、解剖学的・病理学的欠損の原因となり、アーチファクトを発生させる原因となる
    ⇒診断情報の欠損
  • 欠損による再撮影を行うことで線量が大幅に増加することが想定される
  1. 【線量的不利益】
  • 遮蔽はAECに悪影響を与えることがある。遮蔽による悪影響で線量の増大・画質の低下が考えられる

マジで悪影響しかない

 

リファレンス

以下は意見書とともに添えられたリファレンス論文である

  1. ACR-SPR Practice Parameter for Imaging Pregnant or Potentially Pregnant Adolescents and Women with Ionizing Radiation. Resolution 39 (2018).
  2. RM Marsh and MS Silosky. Patient shielding in diagnostic imaging: Discontinuing a Legacy Practice (2019) AJR; 212:1-3.
  3. L Yu, MR Bruesewitz, TJ Vrieze, CH McCollough. Lead shielding in pediatric chest CT: Effect of apron placement outside the scan volume on radiation dose reduction (2019) AJR;212(1):151-156.
  4. KJ Strauss, EL Gingold, DP Frush. Reconsidering the Value of Gonadal Shielding During Abdominal/Pelvic Radiography (2017) JACR;14(12):1635-1636.
  5. ICRP, 2007. The 2007 Recommendations of the International Commission on Radiological Protection. ICRP Publication 103. Ann. ICRP 37.
  6. Committee opinion no. 723: Guidelines for diagnostic imaging during pregnancy and lactation. Obstet Gynecol. 2017;130(4):933-934.
  7. SL Fawcett and SJ Barter. The use of gonad shielding in paediatric hip and pelvis radiographs (2009) BJR; 82: 363-370.
  8. MJ Frantzen, S Robben, AA Postma, et al. Gonad shielding in paediatric pelvic radiography: disadvantages prevail over benefit (2012) Imaging Insights; 3(1): 23-32.
  9. MC Lee, J Lloyd, MJ Solomito. Poor utility of gonadal shielding for pediatric pelvic radiographs (2017) Orthopedics; 40(4): e623-e627.
  10. ACR-AAPM-SIIM-SPR Practice Parameter for Digital Radiography. Resolution 40 (2017).

 次回はこれを紐解き、実際の影響を具体的に示していこうと思う

 

また次回(=^・・^=)ﾆｬｰ